水温とシンクロナイズドスイミング選手の息こらえ時間

1.はじめに

 息こらえ時間についての研究はいくつかあるが、本研究では、水温と息こらえ時間について調査してみた。息こらえテストの初心者では本研究に不向きであり、今回は、息こらえテストを何回も行っている、また息こらえについては十分訓練を積んでいる、シンクロナイズドスイミングの選手(17才から20才)6名について、テストを実施した。

2.被験者

     A 17才女子 

     B 18才女子

     C 18才女子

     D 19才女子

     E 19才女子

     F 20才女子 

3.息こらえテスト実施方法  

 縦140センチ横140センチ深さ170センチの水槽(水質管理用プール)に15℃、25℃、35℃の水を水深130センチまで入れ、それぞれの水温で2回ずつ安静時水中息こらえテストを実施した。ノーズクリップを付け水槽に入り、大きく2回深呼吸をした後、大きく息を吸い水中にしゃがみ全身を完全に水中に沈める。この状態で、出来るだけ長い時間息こらえを行う。なお、体が浮いて来ない様に、水中にあるおもりの取っ手を握ってもらった。1回目と2回目の間は3分間の休憩を入れた。水温調節がうまくいかず,+-2℃前後の誤差あり。

 

4.結果

A (59 63)   (89 98)   (103 105)
B (93 99)   (131 145) (152 143)
C (92 81)   (120 145) (146 139)
D (86 88)   (102 111) (125 109)
E (131 140) (199 215) (228 203)
F (119 105) (182 158) (188 211)

左から水温15℃、25℃、35℃ カッコ内は左1回目、右2回目

5.考察  

 全ての被験者において、息こらえテストには十分慣れている為、各水温において1回目と2回目の差はほとんどない。息こらえテストを初めて行う者については、反復テストを行うと回を増すごとに、息こらえ時間が延長する傾向が、確認されている。各水温における息こらえ時間を見てみると、全ての被験者において水温15℃の時に、自分の息こらえ能力までの時間に達していない。水温25℃の時と水温35℃の時はほとんど差は見られないが、1回目と2回目を平均すると若干水温35℃の時の方が、息こらえ時間が長くなっている。水温15℃の時に息こらえ時間が短いのは、水は熱伝導率が高く、体温が急速に奪われる為、ATP(アデノシン3リン酸)を発熱の為に使われ、酸素の消費が激しくその為であろうか。また、血液の循環が悪くなり心肺機能への負担が重くなる事も考えられよう。いずれにせよ水温が低くなると、息こらえ時間は短縮される。15℃以下の水温においての息こらえテストは、被験者への負担を考えると実施できないが、もっと水温が下がれば、さらに息こらえ時間は短縮されると思われる。息こらえテストには、体温と同じぐらいの水温がベストと考えられる。

 

千葉県白井市池の上1丁目8番1号
    千葉県立白井高等学校

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